[アップデート] AWS Local Zones で LA 2つ目のゾーンが提供されました
こんにちは、菊池です。
本日紹介するアップデート情報はこちら。
AWS Local Zones で、ロサンゼルスに2つ目のゾーンである us-west-2-lax-1bが提供されました!AWS Local Zoneは、AWSリージョンが近くにないエンドユーザーにサービスを提供するにあたり、Local Zoneというより近い場所でAWSリソースの展開が可能になるサービスです。Outpostsのように、自前でリソースの設置場所を用意する必要がなく、AWSが提供する場所で利用が可能です。
AWS re:Invent 2019 で発表され、2020年3月には1つめのLocal Zonesとしてロサンゼルスの us-west-2-lax-1a がユーザー自身での有効化(オプトイン)が可能になっていました。
同じ地域に2つ目の Local Zones が提供される意味
今回提供が開始された Local Zones は、これまでと同じカリフォルニア州のロサンゼルスで、オレゴンリージョン(us-west-2)に属します(北カリフォルニアリージョンでないことに注意)。つまり、オレゴンリージョンには2つのLocal Zoneである us-west-2-lax-1aとus-west-2-lax-1bが存在することになります。
ユーザーに近い場所でコンピューティングリソースを提供するという意味では同じですが、2つのゾーンがあることで、Local Zones内でマルチAZ構成が利用可能になります。RDSのマルチAZ構成や、ALBのような複数AZ前提のサービスも共に同じ地域のLocal Zoneで利用することで、AZ障害時にも一貫したネットワークレイテンシでのサービスが可能になるということです。
新しいLocal Zonesを使う
早速試してみましょう。
Local Zonesのオプトインは、先の記事をご確認ください。すでにLocal Zonesが有効化されているアカウントでは、対象リージョン(オレゴン)のEC2コンソールを開くと、以下のように追加のゾーンも有効であることを確認できました。
サブネット作成で、新しいゾーンが指定可能になっていますので、そのまま作成することで追加のLocal Zonesが利用可能になります。
試しに、ALBを2つのLocal Zonesに跨がるように作成してみました。
Local Zones間のネットワークレイテンシ
追加されたゾーンを含め、AZ間の通信レイテンシを調べてみました。
- OS:Amazon Linux 2
- インスタンスタイプ:m5.large
- 利用AZ:
- us-west-2a(usw2-az2)
- us-west-2-lax-1a(usw2-lax1-az1)
- us-west-2-lax-1b(usw2-lax1-az2)
上記のそれぞれで、Ping100回の結果です。
AZ | min | avg | max | mdev |
us-west-2a - us-west-2-lax-1a間 | 24.483 ms | 24.498 ms | 24.520 ms | 0.123 ms |
us-west-2a - us-west-2-lax-1b間 | 23.731 ms | 23.756 ms | 23.789 ms | 0.181 ms |
us-west-2-lax-1a -us-west-2-lax-1b間 | 1.100 ms | 1.108 ms | 1.132 ms | 0.042 ms |
既存の通常のAZ(us-wes-2a)とLocal Zones(us-west-2-lax-1aまたはus-west-2-lax-1b)の間では、20msec以上とかなり大きいですが、Local Zonesのus-west-2-lax-1aとus-west-2-lax-1bの間では1msec程度とかなり小さくなっています。2つのLocal Zonesは距離的に近く、低レイテンシでの通信が期待できます。
まとめ
新しく追加された、2つめのロサンゼルスのLocal Zonesを紹介しました。
これまで、単一のゾーンであり可用性への不安から利用に踏み切れなかったような場合にも、使いやすくなったのではないでしょうか。